2016-17年秋冬にデビューするメンズブランド「アトリエ・べトン(ATELIER BETON)」。コレクションを"ホームウエア"と掲げるとおり、シンプルなデザインのウエアに、日曜大工やガーデニングなど、日常に特化したディテールを備える。アウターには新聞用に深めのポケットや、タオルを掛けるためのループといった機能性を搭載する。カラーリングはグレートーンを軸にし、デザイナーが好きなドイツの工業的ムードを取り入れた無機質な世界観を表現している。シャツには起毛感のあるネップを使用したシルク綿を採用し、コートには希少なタスマニアウールとカシミアを混紡したメルトンを使用するなど、気負わず着られるタフな素材にこだわる。
ウエアそのもので世界観を感じ取ってほしいという理由から、ルックではモデルの顔を写さず、デザイナーも非公表。「昔に比べて食やインテリアへの関心が高まり、ウエアもシンプルでほっこりした北欧ベースのデザインが好まれるようになった。しかし、そういうウエアばかりの市場を見ているうちに、自分なりに解釈した"ホームウエア"を作りたくなった」とデザイナーはコメントする。デビューに先がけて、オリジナルのムービーを公開している。
大塚千践