カナダ・バンクーバー発のアウトドアブランド「アークテリクス」は、国内2番目の旗艦店を神戸旧居留地に4月27日オープンした。2014年に開店した原宿旗艦店に続く日本の拠点であり、店舗面積は約80坪。グローバルでもロンドンの旗艦店に次ぐ広さという。
立地は近代建築が並ぶ旧居留地を代表するチャータードビルの1階。かつては銀行だった建物で、天井高が約15メートルあり、大理石を使った壁面や金庫室の扉などもそのまま生かした。「80年の歴史があり、趣のある建物に出店したのは、ゆったりした空間で『アークテリクス』の世界観を味わってほしいから。こだわったものづくりをしているので、ていねいに説明できる直営店が必要だった」と、同ブランドの日本総代理店であるアメア スポーツ ジャパンの佐藤光司コーポレートマーケティング・リテールマネージャーは話す。
取り扱うアイテムは、高所山岳用を中心に汎用性の高いアパレルのコレクションから、デイリーに使えるライン「24」、バリエーション豊富なバックパック、15年春夏からスタートしたシューズまでフルラインをそろえる。都市生活向けの高機能アパレルウェア「ヴェイランス」も初めてコーナー展開する。
「アークテリクス」は1989年、クライミング用のハーネス(安全ベルト)の販売からスタート。98年アパレル分野に進出した。「デザイン、クラフトマンシップ、パフォーマンス」をコンセプトに商品開発し、ミニマムで機能性の高い商品を次々と発表。アウトドアブランドでは珍しく自社工場と商品研究所を有し、独自の品質基準に基づいて商品の改良を行っている。「毎シーズン、自然の中から色を取り入れるなどカラーも重要な要素。そのために本社には約15人のカラーリストがいる」(アメア スポーツ ジャパンの高木賢アークテリクス部長)という。
現在、国内では横浜のマークイズみなとみらいと大阪イーマにも直営店を運営するほか、アウトドア専門店とセレクトショップなど約200店舗で販売する。「ブランド規模はまだ小さいが、地方専門店からの評価は高く、今後はコアユーザーを中心に新規のファンも増やしていきたい」と高木部長。そのためのブランドストアを来年は名古屋に、18年以降は福岡と札幌にも出店する計画だ。