大阪発ファッション専門学校の上田安子服飾専門学校は6月13日、フランスの公立専門学校であるカミーユ・クローデル校との新たな交流プログラムの一環として、講師を招いた特別授業を開講した。ファッションクリエイター学科トップクリエイターコース2年生が受講し、18世紀のバロックとロココ文化、そしてフランスの伝統テキスタイルであるトワル・ド・ジュイについて学んだ。バロックとロココの違いを理解するため、まず、各文化を象徴する建築や衣装のモチーフをスクラップしてイメージマップを制作(写真)。そのマップに基づき、トワル・ド・ジュイの生地を立体裁断して洋服をデザインし、クロッキードールに着せるまでを実践した。
カミーユ・クローデル校はパリ近郊に位置し、ファッションや建築、グラフィック、プロダクトデザインなどの専門教育を行う。取り組みのきっかけは昨年10月、上田安子服飾専門学校が積極的に進める海外研修の一環として、パリ・コレクション期間中の合同展に学生ブランドを出展した際、同校の見学も実施したことから。今年3月には山田浩之・副校長がフランスに赴き、同校の学生に日本の着物文化について講演を行っている。「単発企画ではなく、長期的な取り組みを見据えた継続的な提携。まず3月と6月にお互いの講師を招き、信頼関係を深めることができた。学生間の交流をさらに深めながら、海外における学生のコレクション発表の場を広げる」と山田副校長。今後は上田安子服飾専門学校の学生たちがトワル・ド・ジュイの生地を用いたコレクションを制作し、来年3月に開催する上田コレクションで発表する予定だ。