トレンドに強いイタリアの名門は、“フルクサス”最大のコレクター
トレンドを押さえつつ、もの作りにも強いと定評があるのが、イタリアのテキスタイルメーカーのボノット。イタリアのデザイナーズブランドや米国のカジュアルウエアなどにテキスタイルを供給。今シーズンはポップなジオグラフィック柄のジャカードやラッセルなどを提案。2年前からはシャトル織機を使ったテキスタイルや原毛の有色ウールを使ったヴィンテージテキスタイルラインをスタートしている。日本発のアートムーブメントである“もの派”と60年代の前衛アートの“フルクサス”の世界最大のコレクターでもある。
2.日本毛織(日)/ジュールトゥルニエ(仏)
ハリ・コシのある素材がトレンドになる中、赤丸急上昇の素材がコートやジャケットに使用される重厚なメルトンだ。このメルトンを得意とするのが、ともに老舗のテキスタイルメーカーの日本毛織とフランスのジュール・トゥルニエの2社。両社はいずれも、近代アパレル産業の基礎を築いたと言われる時代から、軍服に毛織物を納入してきた。メルトンはコートの定番素材ながら、実はきれいに仕上げるのが難しく、テキスタイルメーカーの力量が問われるアイテム。日本毛織は今シーズン、通常1mあたり600~800gと言われるメルトンを、1kgという重厚アイテムを開発している。
3.リネアピウ
イタリアの高級ヤーンメーカーであるリネアピウ イタリアが好調だ。2013年度の売上高は前年比107%の3800万ユーロ(約53億2000万円)だったが、2014年12月期も4000万ユーロ(約56億円)と増収の見込み。供給過剰なマーケットでブランド力があり、それを裏切らない品質とサービスを提供できる点が、多くのラグジュアリーブランドから支持を集めている。
2015-16年秋冬向けにはモヘアやウールのバルキーなヤーンを提案。ここ数年はビスコースやナイロンなど化学繊維の開発にも力を入れている。