ジョルジオ・アルマーニのクチュールブランド「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」は、「ヌード」がテーマ。ここ数シーズンは、肉厚のシルクやラミネート加工を施したマテリアルなどで実験的なクチュールに挑戦してきたが、今シーズンは原点回帰。ドレスの美しさ、何より、女性の肌の美しさに立ち返り、正々堂々のコレクション全52体を披露した。
実はペールピンクやベージュ、そして、ほのかなシャンパンゴールドまでバリエーションに富んでいるのだが、コレクションはヌードカラーでほぼ統一。シルクオーガンジーにマイクロエンボス(細かな型押し)を加えたり、チュールにカットアウトしたレースをのせたり、シルクガーゼにレース模様をプリントしたり、様々な手法でクチュールの原点である花柄を加えていく。繊細なシースルー素材は、同じ生地を幾重にも重ねたり、仕上げにブラックチュールをまとわせたりすることで、女性が隠したい箇所はキチンと隠れるように。アルマーニの十八番(おはこ)とも言える、流線型のシャツジャケットとコーディネイトする。
ヌードで女性固有の美を描くコレクションゆえ、装飾は極めてシンプルだ。いや、実はもの凄く凝っているのだが、それをムダに誇らないと言うべきだろう。たとえば、大ぶりのビジューを隙間なくしきつめたドレスには、仕上げにチュールを被せ、ビジューの輝きをトーンダウン。重ねるアクセサリーも主役はパールで、光の乱反射には頼らない。ヌードという1トーンだけのコレクションだが、冗長に感じさせないバリエーションも魅力だ。
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