コレクション最終日の夜は、雷と大雨が降る大荒れの天気。会場内は、砂の上には錆びたビンや雑誌、布でできた原始的なテント、巨大な木製の船や椅子などが置かれ、まるで漂流してしまったような雰囲気だ。
会場の中は蒸し暑く、扇子が配られる。ということは、この蒸し暑さまでもが演出ということか。自分も暑い砂の上にいるかのような気分にさせられる。
悪天候でも、いつものように20時ぴったりにショーがスタート。登場するモデルたちは、金髪のボブヘアにナポレオンジャケット、ひざ丈のハーフパンツのスタイル。ジャケットの肩は大きく、モールやフリンジ、レースやくるみボタン、植物の刺繍があしらわれ、背中にはリボンが結んである。黒や深紅、グリーンのダークカラーは、春夏シーズンのコレクションであることを忘れてしまいそうだ。
「春夏シーズンだからという型にはまりたくはない。女の子がヴィクトリアン・ガウンにビルケンシュトックで仕事をしたっていいじゃないか。これはステキなナイトメア(悪夢)」とジェイコブス。常識にとらわれない、とらわれたくない、彼らしいコメントだ。
【マーク ジェイコブス 2014年春夏ニューヨーク・コレクション 全ルック】