「マルベリー(MULBERRY)」のクリエイティブ・ディレクターを6年間務めたエマ・ヒルによる、最後のショーが開かれた。今季のテーマは、「Le Style Anglais(英国スタイル)」。イギリスの陶磁器メーカー、ウェッジウッド製のミニチュア版カップ&ソーサー付きのインビテーションや、イングリッシュ・ガーデンを彷彿とさせる空間演出、来場者に用意されたアフタヌーンティーなど、何もかもが"ベリー・イングリッシュ"。外の気温は10度前後で肌寒い日だったが、春一色に包みこまれた会場は、ハッピーなムード満載だった。
ショーのトップバッターを務めたのは、人気モデルのカーラ・デルヴィーニュ。続いて、ブレイク必至のサム・ローリンソンら、イギリス出身の売れっ子モデルが登場した。アイテムは、60年代からインスピレーションを得たプリントやシルエットで構成。小花を散りばめたシルクジャガードのセットアップや、オレンジ色のケシの花を大きく配したプリントワンピース、スパンコールを施したクリーム色のジャケットなど。ウエスト回りにゆとりをもたせたり、ボックス型で提案したり、ハリのある素材を用いて構築的なシルエットを形成したが、あくまでもエレガントにまとめあげた。「幸せなら手をたたこう」を始めとするバックミュージックが流れたチアフルなランウェイの幕を閉じたのは、笑顔でランウェイに登場したエマ・ヒル=クリエイティブ・ディレクター。同ブランドのイメージを一新し、ヒットバッグを打ち出してきたほか、世界的なビジネス拡大にも貢献してきた彼女に、会場は拍手喝采だった。
【マルベリー 2014年春夏ニューヨークコレクション 全ルック】