小松精練は、映画監督でフォトグラファーの蜷川実花とイラストレーターのファンタジスタ歌磨呂とコラボレーションする。2人のクリエーターの作品を、同社のインクジェットプリント「モナリザ」でそれぞれ10種類のテキスタイルにプリントし、現在パリで開催中のファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」で発表した。カラフルな色使いが持ち味の蜷川実花は、「紙よりもさらに色がくっきりと出るので、テクノロジーの発達にびっくりした。ファッションブランドとのコラボレーションは何度かやっているけど、テキスタイルなら、ファッションだけでなく、インテリアやアクセサリーなど、用途が多い。私の作品が従来の写真集以上に、人々のライフスタイルに溶け込めるのがうれしい」と語った。
一方、もともと多摩美術大学のテキスタイル専攻科出身のファンタジスタ歌磨呂も、「今は広告やデザイン、イラストレーターの仕事が多くなったけど、自分のイラストをテキスタイルとして制作するのはライフワークとしてやってきた。だから世界最高の技術でこのプルミエール・ヴィジョンという場で発表できるなんてとても光栄だし、うれしい」という。
プルミエール・ヴィジョンは、2014-15年秋冬向けのテキスタイルを発表している世界の有力テキスタイルメーカー約700社が参加し、世界中の有力ブランドのデザイナーやデザイン担当者が来場する。小松精練の中山大輔・取締役は「プルミエール・ヴィジョンで僕らのブースに来場するブランドにはラグジュアリーブランドも多く、彼らにアピールしたい。単にテキスタイルを販売するのではなく、必ずクリエーターのコピーライトを付ける契約。来年の秋冬には、有力ブランドを通じて世界に発信したい」と意気込む。
日本では伊勢丹新宿店で日本のファッションブランドとコラボレーションし、このテキスタイルを使ったアパレルを販売する。ファンタジスタ歌磨呂が10月16日から2週間「ビューティフルピープル」と、蜷川実花は12月から2週間、「アンリアレイジ」や「ザ・ヴァージニア」「ケイタマルヤマ」などのブランドがワンピースやブルゾンを製作する。