光文社は9月28日、蜷川実花・責任編集のムック本「ママ・マリア(MAMA?MARIA)」を発売する。元「JJ」編集長の篠原恒木・新企画開発室とともに編集制作に取り組んできた蜷川は、発売の経緯について「自分がお母さんになってママ雑誌をいろいろ読んでいく中で思ったことは、基本的にはちゃんとしたことしか書かれていないということ。『本当に全部やらなきゃだめ?』という恐怖心があった。できている人に対してできていない自分が落ち込むような時期があって。素敵な旦那さんがいて、子どもは天使のようにかわいく、女としても諦めていなくてママだってきれいでカワイイ。それでいて仕事もして。もちろんそうであればよいけれど、実際フルで仕事をしながら子育てをして思ったのは、やっぱり全部を取るのは難しい。何かが増えれば、諦めなくてはいけないことがたくさんあるとやっとわかった。『○○さんもがんばっているし、私もがんばろう』と思える雑誌を作りたいと思った」と話す。
モデルのキャスティング、対談、撮影のすべてのディレクションを蜷川実花が行ない、土屋アンナ、吉川ひなの、紗栄子、SHIHO、益若つばさ、佐田真由美など各ジャンルのカバーを飾るモデルらが勢揃いした。ママとしての本音を蜷川実花がインタビュアーとして引き出している。さらには小説家の川上未映子との対談や東村アキコの漫画など、バラエティに富んでいる誌面構成だ。
「実用的なことは他誌にはかなわないかもしれないが、これだけの人が本音で語ってくれているので、多少なりとも元気にしてくれる言葉が詰まっている。そういう意味での実用書。他誌ではあまり語られていないシングルマザーの話や、育児休暇がないフリーランスや自営業の仕事復帰の仕方なども盛り込まれている」と話す。
また、田中杏子「ヌメロ・トウキョウ」編集長、スタイリストの佐々木敬子、植田みずき「エンフォルド」クリエイティブ・ディレクターらママの私服スナップも掲載。「学校や公園、家でのリラックス服、デート、夜遊び服まで紹介しているのは、『ママ・マリア』ぐらい(笑)」。
「インタビューで必ず全員が言っていたのは、『幸せを他人と比べてはいけない』という言葉。憧れられる立場の人たちは、他人とは一切比べず、自分の幸せの尺度で今後どうするべきかを考えている。今まで自分自身はママ特集の取材を断ってきた。『お母さん』というのは、センシティブで、なれる人なれない人がいる大前提があって、ママ本を作ることで誰か傷つくかもしれない。でもそれを気にしすぎると何も言えなくなってしまう。大人になって変わってきたのは、ちょっとでも女性の手助けをしたいという思い。自分自身に自信が持てたり、今、切羽詰まっている人の気持ちを少しでもラクにすることができたら嬉しい」。
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