ここ最近のトマソ・アキラーノとロベルト・リモンディのクリエイションが冴えている。デビュー当初は、構築的でマスキュリン、フェティッシュでストイックなミリタリーウエアを見せていたが、ぐっと肩の力が抜けて、時代に呼応したクリエイションにシフトしているからだ。
ファーストルックは、ネイビー、アクアブルー、エメラルドグリーン、オレンジをアーティに切り替えたロング&リーンなドレス。その後もパープルやレッド、ブラウンといった秋色パレットをグラフィカルに切り替えたスタイルが続く。シルエットはロング&リーンに加え、クロプップドトップ&ハイウエストミニスカートがメイン。肩線を落とし、やや丸みとボリュームを持たせたショルダーとウエストを強調したラインが共通項だ。中盤から後半は、ゴーギャンの絵や、ダークトロピカルなモチーフをのせ、それらにビジューをたっぷりとあしらいラグジュアリーに。
ダークトロピカルな柄、ブラトップ、クロップドトップ、ビジューディテール、スポーツテイストなど......。今シーズンのトレンドが満載のコレクションだが、それらを彼ららしいスタイルへと昇華。たとえば、ハイウエストスカートやクロップドトップはダーツを多用し構築的なフォルムを形成したり、柄やプリントでアートフィーリングをプラスするなど。トレンドとクリエイション、絶妙なバランスで見せた。