クライマックスはフィナーレ。暗いランウェイのスポットライトにモデルがひとりだけ登場し、天女の羽衣ような極々薄い生地でできたドレスの裾をふわりと翻した。リリースにある「進化を遂げた素材」とはこれのことなのだろう。ほぼ透明で表裏がないのに、きれいなプリントが施されている。その不思議な浮遊感が観客の拍手を誘った。
究極に軽くトランスペアレントな生地は、ショーの中で繰り返し登場した。ショートドレスやチュニックでは、何重にもレイヤードし、上に繊細なビジューなどの装飾を施すことで、陰影と光が生まれる。
生地だけではなく、アイテムや付属品の選び方もすべて軽さにつながる。得意とするショートジャケットの多くはボタンがなく、あっても飾り程度で、短めのボトムの上にさらりと羽織る。アンクルブーツはプレキシグラスのヒールで足元にヌーディな印象を与える。
朝やかなピンクは、シチリア島の街、シアッカに咲くアネモノやサンゴの色彩から。鮮やかなブルーやパープルのカラーパレットと合わせて、軽やかなコレクションにパンチを与える。
【ジョルジオ アルマーニ 2014年春夏ミラノコレクション 全ルック】