今シーズンのテーマは「バンブ・ガール」。「ロージー・ザ・リベッター」(戦争に行っている男性に代わり、工場で働く力強い女性)を、ラスベガスのピンナップガール風に再解釈したものだ。登場するのは、ジャンプスーツ、トレンチコート、パンツスーツなどにウエスタンブーツを合わせるというマニッシュスタイル。
ところが、たとえばトレンチはヘビ柄でさらに強い女性を想起させるが、シリコンで作られているため透けてみえる。ジャケットやシャツなども、ボタンを全開にしてブラジャーをしっかり見せるなど、センシュアルなスタイリングで、クロスジェンダーを表現している。また、スリットの使い方も、シャツの袖、スカートのフロントやサイド、タンクトップのサイドに入れたりと、マニッシュスタイルをフェミニンに落とし込む重要な役割を果たしている。スワロフスキーやビジュー、リバティプリントの刺繍などもフェミニンな要素を加えるキーとなるディテールだ。カラーはヌード、インディゴ、マスタード、白、黒とベーシックだが、ディテールとスタイリングでフェミニンとマニッシュの絶妙なバランスを生み出した。
【アレクシ・マビーユ 2014年春夏パリコレクション 全ルック】