ファッション

【パリコレ】「ジュンヤ ワタナベ ・コム デ ギャルソン」が借りた原始の力強さ

 ルイ14世が作った国立自然史博物館の「エボリューション」館を会場に選んだ「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME DES GARCONS)」。巨大な動物の骨が天井から見下ろす階段を降りると、フロアの中央に大きなベニヤ板で仕切られた部屋があり、それを取り巻くように客席が作られている。打楽器の強いリズムの中でショーはスタート。ベニヤ板の部屋で仕切られているため対面の客席は見えず、服と間近で対面することとなる。

 ショーは、テープ状の生地を大量にフリンジのように飾った全身黒の服で始まった。スポーツフィーリングを取り入れた軽やかな印象は脱ぎ捨て、ある意味、重くてシリアス。打ち鳴らされ続ける打楽器のリズムもあり、トライバルで原始的、そして戦闘的な印象を受ける。ただし、素材はいずれも軽量だ。そして生地をバイヤスに使ったり、大量のドレープをつくることで女性らしさを残す。

 ベースとなるのはTシャツやメンズライクなシャツ、トレンチコートなどベーシックなアイテム。いずれもその"フリンジ"を裾に飾り、時に部分的に生地を切り裂いてその間を"フリンジ"がつなぐ。"フリンジ"は後半、長くなってヘアウィッグと同じようにキツく編みこまれて強さを増す。

 後半は、再構築デニムのシリーズも。パンツを一度解体して再構築したようなロングスカートや、オーバーサイズのデニムのパンツをリメイクした結果、左右の太さがことなったようなパンツなど。足元はカラ—で染めたスネークやスタッズをたっぷりと飾ったメンズライクなフラットシューズ。

ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン 2014年春夏パリコレクション 全ルック

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