優雅なクラシック音楽が流れる中、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のショーはスタート。今季は、デザイナーのマリア・グラツィア・キウリとピエールパオロ・ピッチョーリが、ローマのオペラ劇場のアトリエで出会ったコスチュームとクチュールのつながりを出発点に、さまざまなオペラの舞台にもなっている地中海を囲む国々の文化から着想を得た。
ベースとなったのは、「ヴァレンティノ」らしい高いウエストラインと詰まったネックラインが特徴のドレス群。チュールやスエードなどダークカラーの生地の上に、宝石や金をイメージした鮮やかな色味でどこかエキゾチックなパターンをのせると、まるで古代王朝のプリンセスや貴族のワードローブのよう。さまざまな手法で施した刺繍やキリムのようなパッチワーク、あえてレーザーカットではなく手作業で切り抜いたレザーのカットワークなど、クチュリエならではの卓越したクラフトワークによって作り出されるエレガントな装いだ。
ただ、そこにウールを刺繍でシアリングのように仕上げたカラーのジャケットやシンプルなコットンシャツ、膝上にギャザーを入れたワイドパンツを加え、クチュールの要素が強いコレクションをよりリアルに落とし込んでいる。
アクセサリーは、ゴールドの星座や神話上の動物などをモチーフにしたパーツを使ったサンダルやジュエリーをコーディネート。ブランドのアイコンでもあるロックスタッズは、グリフォンの絵が描かれたメダルに形を変え、バッグやカチューシャに施された。
【ヴァレンティノ 2014年春夏パリコレクション 全ルック】