ジャカードやプリント、マルチカラーでテキスタイルの表面に色や柄による表現に加え、キルティングやエンボス、刺しゅうなどで凹凸を作り、テキスタイルそのものの質感を重視する流れが現れつつある。ボンディング素材でシルエットを重視するトレンドが継続する一方で、色や柄によるテキスタイルの豊かな表情を見せるトレンドが本格化してきた。
SIMPLE & FANCY
ジオメトリックや花、球体、風景、アニマルなど、様々なモチーフが登場。特定の柄を重視する以上に、バリエーションの豊富さに注目したい。また、プリントやジャカードをミックスしたり、エスニックとジオメトリックを組み合わせるなど、一つのテキスタイルの中に様々な柄やテクニックをミックスさせるのがポイントだ。
MINIMAL BUMPY
硬い素材から柔らかいニットまで、進化する凹凸
もはや定番素材と言えるほど広がってきた凹凸素材。前シーズンはボンディング素材へのエンボスやローゲージニットへのコーティングなど光沢系が人気だったが、このシーズンの注目は織りや編み目のテクニックで作るデコボコ。太めの糸を使ったラッセルニットや、プリーツのように立体的な編み目を作ったり。ベースになるテキスタイルも、柔らかいものへと変化しつつある。
COLORFUL DOTS
前シーズンから引続き人気なのが、カラフルなドット柄。ジャカードなどの柄が、80年代の低解像度のデジタル画を思わせるような特殊な効果を得られるほか、ウィンドーペンやタータンチェックなどオーソドックスな柄に、一本の糸に複数の色の糸を撚糸した杢糸や結び目(ノット)や節のあるムラ糸を使うだけで、今っぽくなる。ドットを思わせる小さな柄を、複数のカラーで表現したプリントもオススメだ。
METALIC & 3D CUTTING
ミラノのテキスタイルメーカーが最も注目しているテーマが、ラメを使った光沢とレーザーカットを駆使して、テキスタイルの3D感を演出するカッティングデザイン。ラメ糸を駆使しながら、鋭角デザインのジャカード柄や透明感のある素材のフリンジ、エジプトにインスパイアされたエスニック柄、レーザーカッターを駆使したオパール加工などいずれもシャープで、スマートな世界観を演出する
NEO GEOGRAPHY
シャープな世界観の対極として、ここ数シーズン続いているのがカラフルなデザインの幾何学トレンド。2015-16年秋冬は、ジャカードやプリントのテクニックを駆使。ウールをモケっと起毛させ、カラフルでグラフィカルなデザインに注目だ。
MULTICOLOR
ウールやコットンといった天然素材では、一本の糸に複数のカラーをミックスしたマルチカラーに注目。ただデザインは従来よりも大ぶりになっており、ひと目ではっきりと多色使いとわかるようになっている。