ファッション

一色紗英が語る「アーキ」を続けられた理由【上】

 一色紗英がディレクションを行なうウィメンズブランド「アーキ(archi)」が、アルゼンチン発のブランド「ホォアナ デ アルコ(JUANA DE ARCO)」とコラボし、2014年春夏シーズンにランジェリーと水着を並べることになった。「アーキ」の14年春夏シーズンは、アルゼンチンのガウチョ(先住民)や移民の暮らしからインスピレーションを受け、ヴィンテージ感のあるブラウスやアースカラーのコットンドレスを提案。また、アルゼンチンをキーワードに両ブランドが惹かれ合う形で、今回のコラボに至ったという。

 注目したいのは、一色が芸能活動をしながら1999年にスタートした「アーキ」が、長期間にわたって消費者の支持を集めていることだ。同時期にスタートしたタレント発のストリートブランドやモデル発のウィメンズブランドは、ほぼ消滅。俳優などがこぞってブランドを立ち上げた裏原ブームも終焉し、より「アーキ」が目立つ形になっている。しかし、当の本人は、あえて過度な緊張感を持たなかった"ユルさ"が、成功の秘訣と見ているようだ。「ブランドは14年目を迎えましたが、身の丈にあったビジネスをしてきました。現在の取引先は、約40店舗あります。直営店はありません。家族経営ではありませんが、6人いる社員とはファミリーのような感覚で接しています(笑)」と一色は語る。急速な売上拡大やマーケットを意識した商品投入をしてこなかったと言うが、こだわった点が一つだけあった。「無所属というか、企業に属するのに抵抗がありました。デザインやビジネス上の制約があると、ディレクションのバランスが崩れると思ったんです。今回のコラボも、きっちりとビジネスプランを練ったものではなく、無理をしない範囲で進めました」。

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