スイスの老舗高級機械式時計ブランド「ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)」を日本で展開するソーウインド ジャパンは、2014年の日本・スイス国交樹立150周年記念事業の一つとして、横浜外国人墓地にあるブランド創業者一族の一人、フランソワ・ペルゴの墓地整備計画を発表した。
フランソワ・ペルゴは1860年、「日本にスイス時計を普及させる」という任務のもと日本に最初に移り住んだスイス人。当時急成長を遂げていたスイス時計産業が培った職人技と芸術性、革新性を持つ12個のジラール・ペルゴ社製懐中時計を携えて横浜で初のスイス時計の輸入・販売会社を設立した。しかし、志半ばで病に倒れ、1877年12月18日に日本で43年の生涯を終え、日本に住む友人たちによって横浜外国人墓地に埋葬されていた。
墓地の存在は歳月とともに歴史に埋もれていたが、数年前に彼の存在を知る一部の人々によって発見され、ボランティアによる手入れがなされてきた。横浜外国人墓地は年々遺族の数が減少し、無縁墓地が増加していることからメンテナンスが滞っており、修復や整備が必要な箇所が多数存在することから、ソーウインド ジャパンがフランソワの墓地がある古いエリアの周辺を修復・整備するとともに、募金のための広報活動も手掛けていくことを決めたもの。具体的には、廃棄物の撤去やコンクリート壁の設置、堆積した土の除去・土面整理を行なう。整備は14年3月から4月にかけて行なう。
ソーウインド ジャパンの岡部友子・社長は「『ジラール・ペルゴ』は日本に最初に入ってきたスイスの歴史ある時計ブランド。近代化という歴史の変換期に西洋文化を積極的に日本に取り入れようと努め、常に新しいことに挑戦し続けていたフランソワ・ペルゴのフロンティア・スピリットを絶やさないようにしていきたいと今回の事業を企画した」と語った。