2014-15年秋冬シーズンにおける東京ファッション・ウィークの主要イベント「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京」(以上、MBFWT)に、海外から過去最多となる8ブランドが参加した。中でも、WWD JAPAN.COMでは主要5ブランドに着目。タイの「スレトシス」、インドネシアの「ヌール ザーラ」「メジャー マイナー」など、クリエイションで存在感を見せつけたアジア勢や、英国の「アフリカン アペイロン」といったブランドの実力を検証した。
【SRETSIS】スレトシス
タイから参加したウィメンズブランド「スレトシス」は、フェミニンなドレスを軸に、ダークなプリントやモダンなシルエットを巧みに織り交ぜた。強みはアウターとドレス、そしてクラフト感のあるスカート。デザイナーのピム・スクハフタは、米国パーソンズを卒業後、2002年に同ブランドを設立。また、長女のクライがマーケティング及びビジネスを担当し、三女のマティナがブランドのジュエリーラインをデザインしている。タイの3姉妹が手掛けるブランドとして、東京でも話題を集めそうだ。「コサージュ使いのスカートやダークなコートを見てほしかった。東京のユーザーは、多様なファッションやカルチャーを受け入れてくれるから、このブランドもきっと受け入れてくれるはず。以前から東京でショーを開催したかった」とデザイナーのピム・スクハフタは語る。近年、欧米の有力ファッションスクールで学ぶタイ人は、非常に増えているという。ファッション感度を高めたデザイナーが、同国で台頭していることを感じさせる。
【AFRIQAN APEIRON】アフリカン アペイロン
英国をクリエイションの拠点にしている同ブランドのクリスタベル・ゲッティ=デザイナーだが、一族のルーツに迫るコレクション構成にしている。やや民族調のドレスが多い印象で、柄もアフリカの自然や大地、夕日を想起させるものだった。日本の取引先はなく、東京で初のショーを行なうことで、新たな販路開拓を進めるのが最大の目的。しかし、単品で見ると、ミドルカーフのスカートやコンパクトなトップスもあり、モダンに仕上げたアイテムもある。民族調のクリエイションでインパクトはあったが、東京でショーを継続開催できるかがカギだろう。