若手デザイナーの登竜門であるインターナショナル・ウールマーク・プライズ(IWP)のアジア地区選考会が17日、東京・虎ノ門のホテル「アンダース東京」で行なわれ、メンズ部門のファイナリストに「シセ(SISE)」の松井征心デザイナー、ウィメンズ部門に「ブイメジャー(VMAJOR)」(中国)のデザイナー、ビクター・ジュウとニコール・リンが選ばれた。メンズ部門の最終選考会は来年1月のロンドン・ファッション・ウィーク期間中にロンドンで、ウィメンズ部門は3月に北京で開催される。IWPのグランプリは賞金が10万豪ドル(約951万円)と高額であることに加え、ハーヴェイ・ニコルズやサックス・フィフス・アベニュー、伊勢丹新宿店などの世界の有力小売店で販売できる権利も得られる。
「シセ」の松井デザイナーは、選出されると思わず涙。「意識はしていなかったけど、自分では思った以上に気が張っていたみたい。それに賞と付くものに、これまで縁がなかったので(笑)。地区予選では1体のみの制作だったけど、最終選考会では10体を作れる。自分の今あるイメージにできるだけ近づけたい。ロンドンで東京にもいいデザイナーがいることを知らしめたい」と意気込みを語った。
「ブイメジャー」のビクターとニコールの二人組は、ともにロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの出身だが、服はすべて中国で生産している。デザインと技術のバランスが評価された。
地区予選の審査員の一人である「タクーン(THAKOON)」のデザイナー、タクーン・パニクガルは「『シセ』は、素材や作り方はとても凝っているのに、アイデアや見せ方がシンプルだったところが素晴らしかった」と評価。「アジアの若いデザイナーはとても力があると思う。グローバルな市場で活躍するには、顧客の声をきちんと聞くことが大事。活躍できる素地はとてもあると思うよ」とエールを送った。
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