三陽商会は、日本のモノ作りによる付加価値の高い商品を提案するため、今秋から各ブランドでダウンを共通素材として強化する。地球温暖化、水鳥の激減などでダウンを取り巻く環境は変化しており、上質なダウンの調達が困難になっている。そのような状況で上質な素材を確保するため、再生羽毛の「グリーンダウン」と、希少性が高く高品質な「カナディアンコロニアルダウン」を発表した。「グリーンダウン」は羽毛の精製・加工技術をもつ河田フェザー(三重県)とタッグを組み、医療現場などで使わなくなった羽毛布団を回収し、純粋に近い超軟水を使用して精製。羽毛の隅々まで水分子を浸透させて汚れを除去した後、再生加工する。こうすることで、製品寿命による焼却処分字に発生する二酸化炭素を抑制することもできる。価格はシャンブレーコート(2万9000円)、表ウール素材コート(5万1000円、すべて税抜き)。10月中旬から発売予定だ。
また、「カナディアンコロニアルダウン」は、ハテライトと呼ばれるドイツ移民の人々が育てられたガチョウやアヒルの羽毛を使用。寒暖の差が激しい自然環境の中、約18週間という長い生育期間で育てられた羽毛は綿毛が大きく保温性に優れている。また、品質保証のため、カナダ羽毛協会日本支部で発行されるシリアルナンバー入りのタグやラベルを付ける。価格はベスト(2万9000円)、コート(9万9000円、すべて税抜き)。9月上旬からベスト、10月中旬からコートを発売予定だ。