はるやま商事は今秋から展開する新業態「トランスコンチネンツ(TRANSCONTINENTS)」のデビューコレクションをお披露目した。ブランドコンセプトは「東京ジェットセッター」。クリエイティブ・ディレクター(以下、CD)にはスタイリストの小沢宏を迎え、30代の男女をターゲットに、オンとオフ問わずさまざまなシーンで使い分けられるコレクションを提案する。
小沢CDは「ジェットセッターというと、ビジネスクラスで世界を飛び回り、車をチャーターしたりという"クラス感"が強調されるが、"東京"とつけることで、地下鉄やバス、自転車に乗ったり、時には走ったりもするなど、日常性が加わる。だから、デザインだけでなく、シワにならず、すぐ乾く、など、ストレッチ素材でストレスがないような機能性も重要視している。リアルに東京発信で、必要とされる、センスの良いものを提案していきたい」と説明する。
「トランスコンチネンツ」に対するイメージは、「かつて明治通りの旗艦店にはカフェがあったり、ヴィンセント・ギャロを呼んで映画をタイアップするなど画期的なブランドだった。ブランドが流転していったが、今までの企業文化と新しいものをいい形でミックスして新しいものを生んでいきたい」と意気込む。小沢自身は20代から「ポパイ」のスタイリストとして活躍し、「メイド・イン・ワールド」や、前身の「ミウラ」時代から「シップス」を手掛けたり、「ビームス」「ユナイテッドアローズ」「パル」など、さまざまなセレクトショップと協業を果たしてきたノウハウなども持つ人物。「いろいろなことをしているけれども、ベースはスタイリスト。ディスプレーや空間創りなどを含めて、スタイリスト的な気の利かせ方や目線を落とし込んで提案していきたい。もちろんヴィジュアル作りも行なうが、スタイリングマニュアルのような形のものを作成し、顧客やスタッフなどにも世界観や着こなしなどを伝えていきたい」と語る。
事業を継承することになった治山正史・社長執行役員は「次のキーワードはセレクトショップだと考えてきた。『トランスコンチネンツ』を手掛けることで、これまではるやま商事になかったビジネスカジュアルのノウハウを獲得するとともに、新しいポジションでの事業展開が可能になる。『トランスコンチネンツ』は90年代の人気ブランドとして多くの人の記憶に残っており、ライセンシーからの商品化の問い合わせも多く、デベロッパーからの反応も非常に良い。これまでのイメージやスタンスを踏襲するノスタルジックな部分と、時代性に合わせて前進させたもののバランスを取ることも大切。はるやま商事はチャレンジャーとして新しいことをやり続けていきたい」と話す。
1号店は10月1日、銀座ベルビア館にオープンする。近隣にはセレクトショップなども多く存在するため、「セレクトショップの横並びのポジションで打ち出せれば」と治山社長。10月17日にはイオンモール京都桂川とららぽーと和泉にも出店。今期は全国に6店舗をオープンする予定。5年後に75店舗、年間売上高目標は100億円を計画する。
「トランスコンチネンツ」は1990年に誕生し、セレクトショップの先駆けとして若者の人気を集めたが、その後業績が悪化。キアコンやシムリー、ポイントなどが事業を継承したが軌道に乗らずに撤退。フェローズが12年秋に商標権を取得し、メンズ服飾雑貨のライセンス展開を13年春夏シーズンから手掛けていた。新生「トランスコンチネンツ」の中心価格帯は、ビジネススーツ3万8000円〜4万8000円、メンズジャケット1万9000円〜3万円、シャツ・インナー3800円〜4800円、ウィメンズニット5800〜9800円(全て税抜き)となる。
■トランスコンチネンツ
銀座ベルビア館店
オープン日:2014年10月1日(水)
住所:東京都中央区銀座2-4-6
営業時間:11:00〜21:00
イオンモール 京都桂川店
オープン日:2014年10月17日(金)
住所:京都市南区久世高田町376-1
営業時間:9:00〜22:00
ららぽーと 和泉店
オープン日:2014年10月17日(金)
住所:大阪府和泉市あゆみ野4-4-7
営業時間:10:00〜21:00