ナイキ(NIKE)は10月22日、ウィメンズ・アパレルの大規模コレクション「ナイキ ウィメン ショーケース(THE NIKE WOMEN SHOWCASE)」を、ニューヨークのスプリングスタジオなどで開催した。同社がウィメンズに特化したコレクションをグローバルで発表するのは初。ランニングやトレーニング、スポーツウエアなど各カテゴリーの新アイテムのほか、現在1600万回ダウンロードされている「ナイキ+ トレーニングクラブアプリ」などのデジタルサービスについて大々的に発表した。
会場には、欧米だけでなく中南米やアジアなどから300人以上のメディア関係者が来場した。イベントの冒頭では、「ナイキ」を代表する27人の女性アスリートが、2015年春夏のコレクションをまとい特設のランウェイに次々と登場。12年ロンドン五輪の陸上短距離走で金メダル3個を取ったアリソン・フェリックス選手から、 アジア勢で初のグランドスラムを制したテニスのリ・ナ選手、1984年ロサンゼルス五輪で女子マラソンの初代金メダリストに輝いたジョーン・ベノイトまで、ウィメンズ・スポーツ界のそうそうたる面々が一堂に会した圧巻の幕開けだった。直後にはナイキのマーク・パーカー社長兼CEOが登壇。「我々は女性が大きな力を持ち、未来を作ると考えている。これまで6500万人以上の女性達とソーシャル・コミュニティで関係を築いてきた」と、同ブランドがウィメンズ・カテゴリーに対して重要視してきたことを強調。「プロダクトで世界中にイノベーションを与えることに常にこだわってきた。17年度までにはウィメンズ・ビジネスでの売上をさらに20億ドル伸ばし、70億ドルに至ることを見込んでいる。女性トップアスリートの声を指針にしながらもイノベーションを生むことにベストを尽くすし、われわれなら可能だと思っている」と語った。
オープニング後は、同会場で15年春夏のウィメンズ・コレクションを、各担当者がカテゴリーごとに分かれたフロアでプレゼンテーションを実施した。ランニング・アパレルは、体の汗を素早く素材の表面へ逃がす従来の「ナイキ ドライフィット」技術を進化させ、円筒形のチューブを用いて素材を編み上げる「ナイキ ドライフィット ニット」を採用した新アパレルを発表。これにより、体の部位によって必要とされる伸縮性、保温性および冷却効果を正確に組み込むウエアを作ることができる という。これは15年春夏のランニング・アパレルのキーアイテムになる。ランニング・シューズではアッパーを糸から編み上げる技術「ナイキ フライニットテクノロジー」を使用した新シューズを紹介。柔らかく反発性に優れた「ルナロン ソール」と融合させた「ナイキ フライニット ルナ3」のほか、クッショニングに優れた「ズームエア」を活用した「ナイキ フライニット ズーム アジリティ」などのシューズに採用される。また、サイズ展開数を25から29に拡大した「ナイキプロブラ コレクション」、「動いている足をよりきれいに見せる」(担当者)ためデザインにアップデートを加え、新しいプリントとカラーを組み合わせた「ナイキ レジェンダリー ラヴァ タイツ」などをそろえた。
また、これまで高橋盾「アンダカバー(UNDER COVER)」デザイナーと協業した「ギャクソウ(GYAKUSOU)」などを生み出したコラボレーションラインでは、新しく24歳のブラジル人デザイナーのペドロ・ロレンソとのコラボによる「ナイキ×ペドロ ロレンソ」を発表。トレーニングアパレルとフットウエアのコレクションを初お披露目した。同アイテムは11月13日から、各国の「ナイキ ラボ」ストアや公式オンラインストアで発売する。
なお、同日夜にはブロードウェイにある歴史的建造物で、ナイキのプロトレーナーが考案する60種類以上の全身ワークアウトアプリケーション「ナイキ トレーニング クラブ(N+TC)」のメディア向けイベントを開催した。クラブを彷彿とさせる光や音が演出された空間の中、会場中央に置かれた立体キューブ上のモニター上部 に現れたトレーナーが先導する形で、エクササイズがスタート。フランス人デュオDJのジャスティス「D.A.N.C.E.」など、リズミカルなダンス ミュージックが流れる中、音楽に合わせて体を動かし、関係者は大粒の汗を流していた。