オリーブプロジェクト2015事務局は12月15日、雑誌「オリーブ」のセミナーを電通ホールで実施した。同事務局は、2015年に70周年を迎えるマガジンハウスの記念事業「オリーブプロジェクト」の運営母体。2003年に休刊した雑誌「オリーブ」の特別号を15年3月12日発売の雑誌「ギンザ」の別冊付録として発行する。マガジンハウスは「オリーブプロジェクト」を通じて、将来的な読者とつながる方策を探り、電通はマーケティングとセールスの面でマガジンハウスをサポートする。
セミナーでは、金沢21世紀美術館の学芸員で、「雑誌『オリーブ』のクリエイティビティ展」を企画・開催した高橋律子が「少女文化の文脈における『オリーブ』」をテーマに、80〜90年代の「オリーブ」を振り返りながら、同誌に通じる「かわいい=ロマンチック」「ライフスタイル・クリエイション」「永遠にオリーブ少女」という3つのポイントについて解説。また、高橋律子と「オリーブ」でスタイリストを務めていた大森�l佑子と中島敏子「ギンザ」編集長が「あのころの『オリーブ』」をテーマにトークセッションを行ったほか、電通オリーブプロジェクトチームの石原夏子プランナーが「今のオリーブ少女のコンタクトポイント」をテーマに、インターネットの調査結果をもとに、「オリーブ少女」の消費行動について発表を行った。
石原夏子プランナーは「『オリーブ少女』は『非モテ』と言われることがあるが、30〜40代の未婚率が高いというデータが出ている。また、有職者の割合が高いため、可処分所得が多くおしゃれに対する意識が高い。ファッションの情報源は雑誌を重要視している一方で、アプリ、ブログ、SNSといったデジタルメディアも活用しているようだ。大人になった『オリーブ少女』を攻略するには雑誌やデジタル、リアルを含めた導線の設計が必要。オリーブはファンが多く、ブランドとしても強いためファッションクライアントを中心に順調に集稿できている」とコメントした。
中島敏子「ギンザ」編集長は「『オリーブ』は日本の女性の生き方の指針となっていたので、70周年を迎える2015年は『オリーブ』の名に恥じないものにしたいと思っている。特別号ではファッションとカルチャーを融合させたところをうまく見せたい。『オリーブ』は人生のことをちゃんと語る真面目な雑誌。元『オリーブ少女』はもちろんだが、『ギンザ』を読んでいない人や『オリーブ』を知らない20代の人にも読んでもらいたい」と来春発売する特別号に対する意気込みを語った。