LA発のライフスタイルブランド「ゲス(GUESS)」を展開するゲスジャパンは、3月14日、大阪の心斎橋筋商店街に国内初の路面店「ゲス心斎橋」をオープンした。場所は大丸心斎橋店の北隣。2フロア、約72坪の店舗面積は国内最大規模を誇る。現在、ラフォーレ原宿、なんばパークス、イクスピアリ、キャナルシティ博多に出店しており、心斎橋店は国内5店舗目の直営店となる。
店内は1階がウィメンズのウェアと時計、2階がウィメンズのバッグ、靴、アクセサリー、メンズウェアと時計で構成。日本で初めての取り扱いとなる靴は同店のみで販売する。中心価格はジーンズ8900?1万4900円、トップス1万円前後、バッグ1万円台前半、時計1万円後半?2万円台、靴2万円前後。ゲスジャパンの矢田竜男カントリーマネジャーは「価格競争力が期待される市場なので、限りなく本国に近い価値ある価格を設定している」という。
ゲスは1981年、アメリカのロサンゼルスで創設されたジーンズブランドが始まり。「ヤング、セクシー、アドベンチャラス」をブランドコンセプトに、アメリカのデニム素材とヨーロッパのスタイルを融合した斬新なデザインジーンズで一躍有名ブランドの仲間入りを果たす。その後、アパレルからアクセサリーまでトータルアイテムを展開するライフスタイルブランドへとビジネスを拡大。人気モデルを輩出してきた広告キャンペーンでも有名だ。現在は北南米、ヨーロッパ、中東、アジアの92カ国、1676店舗で販売している。
日本では伊藤忠商事が2002年にマスターライセンシー契約を結び、ライセンスビジネスを展開していたが、05年に撤退。時計などの一部雑貨のみ販売していた。「この10年間、日本の小売業界は厳しい環境にあったので再上陸のタイミングを見計らっていた」と矢田カントリーマネジャー。13年2月に米本社の100%子会社となるジャパン社を設立。14年2月、原宿に1号店をオープンしたのを皮切りに、各地のショッピングモールに相次ぎ出店した。今年4月にはピエリ守山と酒々井プレミアムアウトレットに出店。年内はららぽーと立川立飛への出店が決まっている。来年はバッグ、時計などのアクサセリーだけを扱う専門店を含め、約10店舗を出店。5年で約40店舗をめざす。小売事業だけでなく、卸事業も展開しており、現在約100店舗に広がっている。
心斎橋への路面店出店については「トラフィックが多い話題の通りで、かつインターナショナルなブランドが多数集積している。日本一ともいえる集客力に期待して出店した」(同)。心斎橋筋商店街は外国人観光客が激増しているため、同店でも英語、中国語の話せるスタッフを採用。心斎橋店限定販売商品も用意し、インバウンドに対応する。
今後の目標について矢田カントリーマネジャーは「ラグジュアリーからファストまですべてのブランドが競合相手。ジーンズを主体としたアメリカ発のグローバルなライフスタイルブランドとして、F1層を中心にさらに認知度を高めていきたい」と話している。