ゴールドウインと傘下のカンタベリーオブニュージーランドジャパンは4月16日、仏シチズンサイエンスと共同で、ラグビー競技用のウエアラブル・ゲームジャージおよびソフトウエアを開発していくことを発表した。導電性の繊維を織り込んだウエアと情報を集積・発信できるデバイス、専用アプリを使用することで、最大25人までの選手の動きをGPS機能で追跡できるほか、体温や心拍数、速度、加速度など十数種類の生体情報をリアルタイムで把握できる。ラグビーは、ランニングやタックルといった高い運動量と激しい接触が特徴のスポーツのため、新開発のウエアを使用することで試合や練習中における選手の疲労度を可視化し、チーム全体として高いパフォーマンスを得ることが目的。2015年内に選手による着用テストを実施し、1年以内には実用化する予定だ。ただ商品化した際は団体スポーツ向けの製品となるため、個人ユーザーへ販売する可能性は低いという。
西田明男ゴールドウイン社長は「これまで東レとNTTが開発した"ヒトエ(hitoe)"を利用した『C3fit-IN-pulse(シースリー フィット インパルス)』を発売し、既にウエアラブル事業に取り組んでいるが、今回はチームスポーツ向けの商品となる。顧客が最も一番求めているニーズに合わせて常にベストなパートナーを探しているので、協業先は変えていく。衣料品におけるウエラブル・デバイスは、防寒性や着心地といった価値観では測れない異次元のアパレル。今後は、スポーツウエアだけでなく医療分野などでも活用できる可能性がある」と期待をかける。
「カンタベリーオブニュージーランド」は現在、ラグビーの日本代表やイングランド代表、アイルランド代表などの公式ユニフォームのサプライヤーを務めている。