「グッチ」は4月23日?5月17日、現代美術家のスプツニ子!の「トランスフローラ - エイミの光るシルク」展をグッチ新宿3階のイベントスペースで開催する。同展では、「グッチ」のアイコニックなモチーフである"フローラ"に着目。バイオテクノロジーで変容していく未来の花々やファッションを提案するため、農業生物資源研究所(生物研)とのコラボレーションにより実現した。また、作品制作には、デザイナーの串野真也やアートディレクターの泉谷和範、フォトグラファーの亀井隆司などが参加した。
作品のベースとなっているのは、エイミという架空のキャラクターが意中の男性を射止めるために遺伝子組み換えの蚕を飼い、その繭から作った特別なシルクで"究極の勝負ドレス"を作るというストーリーだ。ブラックライトの光で包まれた会場では、2008年に生物研が開発した「光るシルク」でフローラ"を描いた西陣織のドレスやブーツをはじめ、ストーリーをイメージしたショートフィルムやビジュアルを展示。さらに、「バラの香りのするシルク」と「恋に落ちる(かもしれない)シルク」という現在共同で開発構想しているアイデアを通して、未来の"フローラ"の可能性を探る。黄色いフィルムを用いた専用のメガネを使うことで、実際に繭やドレスが黄色、オレンジ、ピンクに発光する様子を確認することもできる。
一般公開に先駆けて、22日にはレセプションパーティーを開いた。会場では、スプツニ子!と、同展のテクニカルアドバイザーを務めた瀬筒秀樹・生物研遺伝子組換えカイコ研究開発ユニット長、西陣織の生地を手掛けた細尾真孝・細尾取締役とのトークショーを実施。スプツニ子!は、「最新のバイオテクノロジーと長い歴史がある西陣織を融合することで、伝統と革新をドッキングした新しい素材が作れると思った。『バラの香りのするシルク』と『恋に落ちる(かもしれない)シルク』は開発構想を進めている段階だが、つい先日、実際に作り始めたので、ただのおとぎ話ではない。遺伝子組み換えの蚕はすごいポテンシャルを秘めているのでワクワクする」と話す。