「フレッドペリー(FRED PERRY)」は"人生の一本に会いに行く"をテーマにゲスト館長と上映イベントを行う原宿シネマとコラボで5月10日、「UK サブカルチャーを感じる映画たち vol.1」を開催した。第一弾は東京ナンバーワンソウルセットの渡辺俊美をゲスト館長に迎え「ディス・イズ・イングランド」を上映。同映画は1983年、サッチャー政権下のイギリスのスキンヘッズ・カルチャーをリアリティ溢れる映像で描写した青春映画の傑作だ。フォークランド紛争で父親を亡くした10歳の少年ショーンがスキンヘッズ(以下、スキンズ)らとの交流を通して成長していく姿を描いている。スキンズとはモッズがルーツで1960年末頃から労働階級者のスタイルとして流行。短く刈り上げたヘアスタイルに、「フレッドペリー」や「ベンシャーマン」のシャツ、「リーバイス501」にサスペンダー、足元には「ドクターマーチン」というファッションに身を包んでいた。映画では、80年代のスキンズファッションや彼らが好んで聞いた音楽などがフィーチャーされている。映画上映後には、放送作家の鮫肌文殊と編集者の佐藤誠二郎を迎え「UKサブカルチャーにみるファッションと音楽」をテーマにしたトークショーが行われた。渡辺は「この映画の背景には戦争や人種差別などがあり、なぜスキンズが出てきたかなどいろいろ考えさせられる。人間の強さと弱さ両方を感じる作品」と語った。鮫島は「監督が元スキンズだったので、リアリティがある嘘のない映画」と強調。映画のほかにスカやレゲエなどスキンズが好んで聞いた音楽や彼らのスタイルについてトークが繰り広げられた。イベントの最後には渡辺によるミニライブを開催。彼に今回のイベントの感想を聞くと「人にいいものを伝える役目ができてうれしい。皆で一緒に映画を見て共感でき、楽しかった。映画にも出てきた『フレッドペリー』は"音の出るブランド"だと思う」と語った。
■ギャラリー画像 PHOTOS BY YUSUKE IIDA
1枚目:原宿シネマ館長を務めた渡辺俊美と上映された「ディス・イズ・イングランド」のポスター
2枚目:多くの人で賑わう会場。上映前に渡辺が映画を楽しく観るポイントを説明
3枚目:プロジェクターでスキンズのファッションが投影された上映後のトークショーの模様。左から、鮫肌文殊、渡辺俊美、進行役を務めた編集者の佐藤誠二朗
4枚目:映画でも登場した「フレッドペリー」のシャツ
5枚目:渡辺俊美によるライブの模様