バッグメーカーのクイーポは5月30日、京都劇場でオリジナルブランド「ゲンテン」のファッションショーを行った。京都を舞台に開かれる和装と洋装の伝統を融合したイベント「ファッションカンタータ from KYOTO」で発表したもので、バッグとウエアのコレクションを4つのテーマに分けて披露。ファーストルックをモデルの松島花、フィナーレをモデルで女優の杏が飾り、ブランド15周年を記念した華やかなショーとなった。
コレクションは、15年を振り返るこれまでのアーカイブを集めた"アーカイブ"に始まり、アイコンのヌメ革を使用した"ヌメ"、長野県に生息する諏訪鹿の革を多用した"諏訪鹿"のテーマへと続く。そして終盤に登場したのは、今年一年を通して京都の各地で催されている「琳派400年記念祭」に合わせ、日本の芸術流派の一つである琳派の絵画にインスピレーションを得た"琳派"だ。絵画のエッセンスを抽出した柄を手書きして染め上げ、琳派の象徴である金箔をのせるなど、日本伝統のテクニックを随所に取り入れオリエンタルなムードを漂わせた。杏が着用したボリュームたっぷりのオーバーコート(写真)は、和紙を使用。琳派を代表する絵画の一つである「白象図」から着想した柄を、大胆に手書きでのせている。
「ファッションカンタータ from KYOTO」は今年で23回目の開催。今年はクリエイターの石橋義正による琳派の絵画とグラフィックをミックスした鮮やかな映像や、音楽家の沖野修也によるクラシックとラテンをミックスした音楽など、さまざまなクリエイターたちが演出に参画し、和と洋を掛け合わせたパワフルなエンターテインメント・ショーを行った。