敏感肌といえば、もともとの肌質や、季節の変わり目に揺らぐことから敏感になるというある特定の人がその対象だった。しかしここ数年は、中国から偏西風にのって日本に飛んで来るPM2.5、黄砂などの大気汚染、春先だけではなく一年を通してアレルギー反応を引き起こす花粉が飛散するなど、肌に刺激をもたらす要因が急増。それに伴い、これまでは敏感肌とは縁遠かった人が突如肌の揺らぎに悩まされるケースが増加している。これから特に肌が揺らぐシーズンが到来するが、2015年はどのように対策すべきか―。
気温の変化などで肌が乾燥し過ぎたり、こすったりすることが原因で肌のバリア機能が壊れ、これまで使っていた化粧品で赤みが出たり、肌がヒリヒリとするようになる肌の揺らぎ。また、紫外線吸収剤や防腐剤 などの添加物に刺激を感じる敏感肌。これらは赤みやヒリつき、かゆみ、ニキビなどが従来の特徴だったが、加えて、ライフスタイルの変化や現代社会特有のストレス、大気汚染、春先だけではなく夏、秋、冬と通年でアレルギー症状の原因となる花粉が飛ぶなど、肌が揺らぐ原因が多様化、激化している。今や敏感肌・肌の揺らぎは特定の人だけの悩みではなく、「現代病」とも言える悩みになりつつある。
生活環境の変化とは別次元で深刻に進む、温暖化による気象の変化が肌環境主軸を揺るがしているが、2050年頃まではこのまま気温は上昇し続けると言われている。天達武史・気象予報士によると、さらに環境は激変することも予想されるという。今は自分とはそれほど関係がないと思っているような冠水や竜巻などの異常気象・現象が、どこにでも起きる可能性があるのだ。肌環境もより厳しくなることが予想されるため、いま起きている肌の“異常”は早目に対策したい。
総合企画センターによると、敏感肌コスメ市場は、13年度は前年比102.2 %。2年連続でのプラス成長と堅調だ。15年は、各メーカーから「現代病」とも言える肌の揺らぎに対応する新製品が多く登場する。 乾燥によるバリア機能低下を防ぎ、角層免疫力を高める製品が主流だが、大気汚染物質からも肌を守るなど、現代のニーズにいち早く反応した製品の登場が特徴的。敏感肌向けのブランド以外からの、肌の揺らぎに向けた製品の発売が活発だ。また、敏感肌を研究してきたフランスを本社に置く2ブランドがそろって“超敏感肌”向けのスキンケア製品を秋に発売するなど、今後も新たな発想で敏感肌コスメ市場をにぎわしそうだ。