「トーガ」は、2016年春夏のロンドン・ファッション・ウイーク期間中の9月22日、ランウエイショーを開催する。ロンドンでショーを開くのは初めて。これまでパリ・ファッション・ウイーク中にショーやプレゼンテーションを行ってきたが、14-15年秋冬に発表の場をロンドンに移し、インスタレーションを行ってきた。ショーの開催理由をデザイナーの古田泰子は「海外ではまず、多くの人にブランドを知ってもらう必要があったので時間が長く取れるプレゼンテーションを選んだ。プレゼンでもショーでも作る工程や気持ちは何も変わらないが、長時間にわたる拘束によりモデルの疲労や空気のゆるみは隠しきれないものがある。1回きりのショーの緊張感の中で見せたい気持ちが強くなった」と語る。
英国での売り上げは、百貨店のセルフリッジやハーヴェイニコルズ、リバティ、ネッタポルテに加えセレクトショップのマッチズなど有力店で好調に推移。発表の場をロンドンに移したタイミングで、別ラインの「トーガ プルラ」(以下、プルラ)の発表時期をプレの時期に変更したことで、「プルラ」の売り上げも伸びているという。現在の売り上げ比率は、「トーガ」3割、「プルラ」が6割、メンズが1割。海外のアカウント数は、「トーガ」が32、「プルラ」が31。また国内は「トーガ」が13、「プルラ」は34になった。卸全体の売り上げは、14-15年秋冬が前季比105%、15年春夏が同110%、15-16年秋冬が同128%と好調だ。
また、12-13年秋冬から、「プルラ」のシューズの製造・海外販売を英国のシューズエージェントのシックス ロンドンに委託し、海外での販売価格が円安でも20%程度抑えられるようになった。古田によって丁寧にデザインされ、ポルトガルで生産されるシューズは、「トーガ」のエッセンスが反映され人気を集めている。15年春夏には国内における売り上げの12.5%を占めるまでに成長した。シューズがきっかけでウエアを買い付けるバイヤーも増えたという。16-17年秋冬からは「プルラ」のバッグもスタートする予定だ。