ラフ・シモンズが3年半務めた「ディオール(DIOR)」のクリエイティブ・ディレクターを辞することが明らかになった。彼のコレクションは、10月2日(パリ時間)に発表した2016年春夏コレクションがラストとなる。
後任のデザイナーは、今の段階では明らかになっていない。また、業界筋は、双方が話し合いの結果、契約の更新に至らなかったと話している。47歳のラフは、「ずっと考えた結果、今の仕事を辞めるという決断に至った。ベルナール・アルノー(LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン社長兼最高経営責任者)の信頼には心から感謝しているが、『ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)』に注力すると同時に、仕事以外のことも考えてみたくなった」とのコメントを発表した。一方のアルノー社長兼CEOは、「彼のたぐいまれなる仕事に感謝している」との声明を出している。
ラフ・シモンズは、パリで自身のメンズ・コレクションの発表は続ける見込み。ただ、その他の活動計画については明らかになっていない。
一方の「ディオール」は、後任探しに乗り出すことになる。候補として浮上するのは、グループ内の「ジバンシィ」を手掛けるリカルド・ティッシ。リカルドは16年春夏、ショーをニューヨークで開催したが、シドニー・トレダノ=クリスチャン ディオール クチュール社長兼CEOは、現場に訪れ、ランウエイを見守った。また、31歳の若さで「ロエベ(LOEWE)」を牽引するジョナサン・アンダーソンも候補に浮上しそうだ。
ラフを6人目のデザイナーに指名する際、ブランドは「ランバン(LANVIN)」のアルベール・エルバスや、「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」のジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデスらも候補としていたようだ。