デジタルコンテンツ協会は10月22?25日、経済産業省と共同でデジタルコンテンツをテーマにしたイベント「デジタルコンテンツ エキスポ 2015」を日本科学未来館で開催した。ゲームやアニメなどのコンテンツ産業発展を目的とした同イベントは2008年にスタートし、今年で8回目。企業や大学、産学協同団体など計63ブースが出展し、週末には一般客延べ4万5000人が訪れた。
アニメやゲームなどエンターテイメント要素が強い同展だが、ファッション業界に応用できる技術も少なくない。東京大学工学系研究科が開発する"伸縮性筋電センサー"もその一つだ。これまで強固な基盤が必要だった半導体を形成できる特殊なインクを開発。半導体の型に流し込むだけで微細なパターンを形成できる伸縮性の導体だ。従来の半導体とは異なり、伸縮性をもつため、ウエアへのプリントが容易。通常の印刷機でも使えるため、型を用意するだけで半導体をプリントしたウエアラブル製品を大量生産できるという。これまでに比べてコストも格安とあって、健康状態を計測できるウエアラブルTシャツなどへの応用が期待できる。
シューズを使ったウエアラブルアイテムも多い。首都大学東京大学院システムデザイン研究科が富士通デザインと共同研究するのは、ヘルスケアのためのシューズ用インソール。好きなシューズに装着するだけで、歩き方や方向、重心の位置などのデータから、その日の歩き方を分析し、「今日は疲れているので、カフェに寄ることをおすすめします」といった具合に、その人に合った最善のアプローチをスマートフォンアプリで伝えられる。
ベンチャー企業のノーニューフォークスタジオがクラウド・ファンディングで資金を集めて開発したスマートシューズシステム "オルフェ"は、ソール内に最新の9軸のモーションセンサーや約100個のフルカラーシリアル制御LED、ブルートゥースLE モジュールなどを内蔵、動きに合わせてさまざまな発光をする。スマートフォンやタブレットアプリと接続し、簡単に発光を制御できる。まずはダンサーなどのパフォーマー向きだが、今後は集積データから動きの分析をしたり、ゲームコンテンツと連動することも可能になる。来春5万円程度で発売するため、製造工場の調達や販路の獲得を急いでいる。