「グッチ(GUCCI)」は、写真家の川内倫子による「レッツ・シング・ア・ソング・アワー・ボディーズ・ノウ(Let's sing a song our bodies know)」展を11月21日〜12月13日まで、グッチ新宿3階のイベントスペースで開催する。同展は、アレッサンドロ・ミケーレ=クリエイティブ・ディレクターの"捉えどころのない境界を表現する"というクリエイティブ・コンセプトに共感し制作された新作の映像インスタレーションと写真作品で構成。大小さまざまなモニターに映し出される映像とパネルに飾られたイメージが、会場には穏やかな環境音を生かしたBGMとともに、新宿の喧噪を忘れさせるような不思議な空間を演出する。
川内は、ミケーレ=クリエイティブ・ディレクターについて「自然のモチーフを多く用いている部分に共通点を感じる一方で、その扱い方の大胆さには刺激を受けます。物事の中間にある曖昧な部分を表現することは、私自身が作品を制作する上で常に目指しているので、彼のクリエイティブ・コンセプトに共感しました」とコメント。新作は、「今回は特にストーリー性を意識して制作しました。その象徴が、作品に度々登場する一人の女の子。さまざまな世界に出会い、成長していく物語をイメージしています。時計台の下を歩く姿が『不思議の国のアリス』のような世界を暗示したり、着ている服が赤ずきんちゃんのようだったりと、寓話的な要素も取り入れました」。また、写真は床面に平置きし、上から見下ろすように鑑賞するように展示。「世界を上から見ることは、神様の目線ともいえます。いつもと違う視点で鑑賞することで、新宿にぽっかりと浮かぶ小宇宙のような空間作りを試みました」と話した。