米バスケットボール界の最高峰の選手とも言われるコービー・ブライアント(Kobe Byrant)が11月29日、今季で現役を引退することを表明した。コービーは17歳でNBA入りし、歴代最多のオールスターMVPを4回、NBAチャンピオンを5回、シーズンMVPを1回、ファイナルMVPを2回受賞するなど、輝かしい経歴で20年間活躍し続けた。
コービーは17歳で「アディダス(ADIDAS)」と推定4800万ドル(約58億5600万円)で契約を交わし、6年間にわたり "EQT エレベーション(EQT ELEVATION)" "アディダス KB8(ADIDAS KB8)"などのシューズを発表してきた。その後2003年に「ナイキ(NIKE)」と4000万ドル(約48億8000万円)の契約を締結。 "ナイキ エア ハラチ (NIKE AIR HUARACHE)" "ナイキ ズーム コービー(NIKE ZOOM KOBE)" "コービー X エリート(KOBE X ELITE)"など、多数の人気シューズを手掛けてきた。
昨年、アメリカだけでコービーのシューズは1億500万ドル(約128億1000万円)の売り上げを記録した。「ナイキ」への影響が懸念されるが、アナリストはそろって肯定的な姿勢だ。「スニーカービジネスは面白く、選手が現役を引退してからも伸びるケースも珍しくない。コービーの活躍を見ると、今回もそうかもしれない」とスポーツアナリストのジェフ・ヴァン・シンデレン(Jeff Van Sinderen)は語る。同じくスポーツアナリストのマット・パウエル(Matt Powell)は「コービーが引退してから、彼のアイテムに対する需要は上がるはずだ。しかし、アメリカではレブロン・ジェームズ(LeBron James)やケヴィン・デュラント(Kevin Durant)のシューズほどは売れていないため、そこまでビジネスにはインパクトはないだろう。『ナイキ』のような企業は、常に旬なアスリートを起用すべきだ」とコメントした。また、彼が引退したことによりシューズの希少価値が上がるだけでなく、 "エア ジョーダン(AIR JORDAN)"が今でも人気を集めるマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)のように"伝説"としてのステータスが付くため、かえって消費者の興味を引く可能性もあるという声も出ている。