ファッション

「マルニ」のコンスエロ・カスティリオーニの義娘がジュエリーブランドを始動

 「マルニ(MARNI)」のデザイナーであるコンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)の義娘のシンシア・ヴィルチェス・カスティリオーニ(Cynthia Vilchez Castiglioni)がジュエリーブランド「ALIITA(アリータ)」を立ち上げた。家や封筒、バケツやシュノーケルなど、日常的なモチーフを用いたミニマルでユニークなデザインが印象的だ。義母のコンスエロも気に入り、「アリータ」のジュエリーを付けているという。「モチーフは私の日常から生まれています。最初に作ったモチーフは家。母になるという大切な瞬間を経て、より家族を意識するようになったから。家にいる時間も長くなりました。バケツは、この夏、赤ちゃんとビーチでバケツ遊びをした思い出から。シュノーケルは、生まれ育った場所がビーチに近くて、とても身近なものだったの」とシンシア。今回発表したデビューコレクションをピュアコレクションとし、今後定番アイテムとして提案する。「タイムレスでエフォートレスな中に美を見出したい。シーズン性よりも感情を大切にしてエモーショナルな出来事をジュエリーで表現したい」。彼女に起こった出来事がモチーフになるパーソナルなコレクションだ。

 シンシアは、南米ベネズエラ出身の父とその北西沖に浮かぶ島アルバ出身の母との間に生まれ、ベネズエラの湾岸都市マラカイボで育った。マラカイボで過ごした日々に強い思い入れがある。ブランド名の「ALIITA」は、育った土地ベネズエラのスリア州の土着民族のグアヒロの言語"ワユ"で「大切なもの」を意味する。それぞれのアイテムにも、シンシアの母国語であるスペイン語で名前が付けられている。南米からミラノに渡ったいきさつを聞くと「彼(コンスエロの息子)がいたから!」。笑顔がチャーミングだ。「彼とはボストンの語学学校のクラスで出合って恋に落ちたの。ふたりとも10代だったわ」。その後、ミラノのヨーロッパ・デザイン学院でファッション・マーケティングを学び、「ヴィオネ(VIONNET)」や「ミュウミュウ(MIU MIU)」「ジル・サンダー(JIL SANDER)」でコーディネーションやMD、セールスとして経験を積んだ。出産を経てブランドをスタートした。「ブランドを立ち上げるのが夢だった」。学生の頃はサマーコースで調金やデザインを学んだ。全てイタリア生産で、主に9金イエローゴールドを用い、一部の製品は素材違いの9金ホワイトゴールドも展開する。家モチーフのドアノブをダイヤモンドやエメラルド、サフィアなどの石で表現した。上代は、ネックレスが3万7000〜4万6000円、リングが3万1000円と手に取りやすい。「流行に流されることなく、自分の好きなものを知っているエレガントな女性に付けてもらいたい」。

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