ファッション

京都の新文化施設「ロームシアター」に蔦屋書店が本日オープン 

 CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は1月10日、新しい文化施設「ロームシアター京都」(旧京都会館)内に「京都岡崎 蔦屋書店」をオープンした。二条通に面したパークプラザ棟の1〜2階で、1階に蔦屋書店とスターバックスコーヒー、2階にカフェ・カンパニーが運営するカフェ&レストラン「京都モダンテラス」が入居する。総店舗面積は約924平方メートル。西日本では、ルクアイーレの「梅田 蔦屋書店」に次ぐ2店舗目となる。

 「ロームシアター京都」の前身、京都会館は1960年に4月に完成。音楽や演劇の舞台として利用され、京都における「文化の殿堂」として50年余り親しまれてきた。設計した前川國男は、ル・コルビュジェにモダニズム建築を学んだ建築家で、京都会館は戦後のモダニズム建築を代表する作品とされている。だが、施設の老朽化が進んだため、市が2011年6月に「京都会館再整備基本計画」を策定。12年4月に閉館し、3年かけて改修する再整備を進め、約2000席の多目的ホールなど最新鋭設備を擁する複合文化施設に生まれ変わった。

 1階の蔦屋書店は「アート」「日本の暮らし」「ON JAPAN」に特化した品そろえ。外国人観光客を意識したガイド本や日本の文化を伝える洋書などを充実させた他、伝統工芸職人の作品を展示するギャラリー、地産にこだわった伝統工芸品を販売するコーナーも設ける。スターバックスにはテラス席132席を用意し、京都の四季を満喫できる店舗とした。人気車種の電動自転車を借りられるレンタサイクルサービスは1日2000円。

 和風のモダニズム建築は外観だけでなく、内装にも継承されている。店舗、レストランのいたるところに、縁起がよいとされる亀甲紋など日本の伝統モチーフを採用した。2階「京都モダンテラス」の空間は以前、会議場として使われていたもので、高い天井を印象づける亀甲モチーフのデザインがモダンな雰囲気を醸し出す。2階は三方をテラスで囲まれた構造で、全176席のうち、テラス席が84席。東山の遠景を望みながらゆっくり朝食やランチを味わえるのがウリだ。京都の旬の食材や薪焼きの本格的なグリル料理、京都の老舗和菓子店のスイーツや地ビールも堪能できる。営業時間は8時?23時(10日16時30分?22時、11日16時?23時)。

 CCCの増田宗昭・社長兼CEOは「大学時代にバンドをやっていたので京都会館には思い出がある。話が来たときはぜひやりたいと思った。アフターインターネットの今の時代は、モノやサービスではなく人間関係が大切。人間関係が良好になるような場所になればいい」と期待を寄せる。

 湘南Tサイトや梅田蔦屋書店にも出店し、食と文化の一体化プロジェクトに取り組んできたカフェ・カンパニーの楠本修二郎・社長も、京都会館の格好良さには以前から憧れていたという。「リスペクトする前川さんの建築物に入れたことは感無量。ロームシアターが一体となって京都全体のテラスになれば、発信力も高まると思う。外国人や若い学生にも来てもらい、価値観を共有する交差点になることをめざしている」と話している。

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