英ブランド「ジャイルズ(GILES)」はプレタポルテからオートクチュールブランドに転換し、ロンドン・ファッション・ウイークを去る。2月に開催される2016-17年秋冬ロンドン・ファッション・ウイークには参加せず、7月に開催する同シーズンのパリ・オートクチュール・コレクションに「ジャイルズ・ディーコン・クチュール(GILES DEACON COUTURE)」としてデビューする。
ジャイルズ・ディーコン(Giles Deacon)「ジャイルズ」クリエイティブ・ディレクターは04年2月からロンドン・ファッション・ウイークにコレクションを発表してきたが、今後はオーダーメードや一点物、レッドカーペット用の服を手掛けるブランドに転換し、よりプライベート顧客との距離を縮める計画だ。また、オンシーズンなコレクションや、短い商品サイクルを目指す。同ブランドは今まで発表してきたプレタポルテコレクションの中でもイヴニングウエアに適したクチュールディテールのアイテムや、ドラマチックなショーを手掛けてきた。
また、ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)やケイト・モス(Kate Moss)、サラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)、アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)など、数々の女優のレッドカーペット衣裳をデザインしてきた。過去4年間で1シーズン60〜90型のオーダーメード品やクチュールピースを手掛けてきたが、今後は200〜250型に増やす予定だ。
新体制のもと、パリにアトリエ、ロンドン・メイフェア地区にショールームを新設する。また、外部からの投資も受け入れる計画だ。インスタグラムでも活発なディーコン=クリエイティブ・ディレクターだが、今後も最新技術を取り入れる予定だ。将来的には顧客と画面上でやり取りをしたり、バーチャルグラスをかけることによりショーのフロントローにいるような体験ができるなど、時代に合わせたデジタル面も強化するという。