銀座三越は、インバウンドの集客強化に向けて台湾の人気女優・李維維(Vivi Lee)を起用した販促を行う。
ファッションリーダーとしての顔を持つ李維維を通じて、昨年リモデルした全館と、1月末にオープンした8階の市中免税フロアを中心に紹介し、中華圏の外国人に向けて銀座をより知ってもらう企画だ。李維維は、台湾をはじめ香港や中国にもファンが多い。Facebookページのファン数は40万人おり、SNSも積極的に活用している。祖母は日本人で、米国留学でファッションを学んだ経験もある彼女は今後も定期的に来日し、日本の魅力を発信していく予定だ。
日本に住んでた経験もある李維維は、日本のファッションについて「渋谷だったり、新宿だったり、原宿だったり、ファッションカルチャーが沢山あること。また、日本の商品は、モノだけでなく化粧品などのパッケージも美しい。最近は家具やインテリアにも興味を持ち、タオルなどもメードインジャパンを買うようになった」と話す。
ただ台湾での日本のファッションの影響力は低下しているという。「5年以上前の台湾のファッション市場は、日本からの情報があふれていた。だが、今その立場は韓国にとって変わった。今はあまり日本からの積極的なアプローチを感じない。台湾のファッションにはアイデンティティが弱いため、海外の影響を受けている。特に若い人は自分のスタイルを持っているわけではなく、海外の意見を受けやすいですね。私世代は、日本の物に憧れてきたので、良さを発信していきたい。」と語った。
日本のファッションにも注文をつける。三越銀座店3階の「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」「ミュベール(MUVEIL)」などの東京ブランドを見て、オリジナリティがあり、普段着ることができて、すごくいいのにそれがうまく宣伝されていない。」と指摘する。
李維維を招へいに三越伊勢丹ホールディングの高遠千恵子・スインバウンド推進マネージャーは、「海外の方も、事前にお店を知っていれば旅行時に行きやすい。そういう人にどうやったらリーチができるかが課題。日本のファッションを伝えるために海外の方の目に入っていかなければいけない中で、今回、いい機会を」作ることができた。タイミングもリニューアルを終え、市中免税店もできてアピールするにはいいタイミング。今後は、買い物の場としてだけではなく、ショッピングの楽しさを伝えていきたい」と海外への発信を強めていく方針だ。