ロンドン・メンズ・コレクション(正式名称は、ロンドン・コレクションズ:メン)が開幕した。7日からの全3日間の日程で、約60のブランドが2013-14年秋冬コレクションを発表する。今回は、ともにミラノから発表の場を移した「アレキサンダー マックイーン」と「トム フォード」に注目だ。
初日のハイライト「トップマン デザイン」は、少年の冒険旅行という、比較的ありがちなテーマを設定し、最新コレクションを発表した。ただ、その少年が旅したのは、ジャングルでも、南の島でもなく、極地。だからこそ、コレクションのキーアイテムは、まるで羽毛布団のように大きくふくれたダウンのアノラック(フード付きの防寒具)。最終的にはボリュームたっぷりのアノラックで全体を包み込んでしまうのだが、その下に様々なアイテムをコーディネイトし、千差万別のスタイルを提案。注目は、序盤から中盤にかけてはシンプルなアイテムを組み合わせた「初級編」スタイルが多いのに対し、後半は難易度の高い“玄人(くろうと)”向けアイテムも大胆に取り入れた「中・上級編」へと進化していること。極地探検に向かった少年が、体も心も、ファッションセンスも、コドモからオトナへと成長していく様子を表現しているという。
「初級編」と定義づけられた序盤のスタイルは、オフホワイトが基調。ダブルブレストのフォーマルから、ケーブルニットのカジュアルまで、トップスは様々だが、ボトムスはほとんどがリラックスシルエットのタックパンツ。それを強引にブーツインして、アノラックを羽織ることでスタイルが完成する。
ところが「中・上級編」では、まずはカラーパレットが無難なオフホワイトから、シトラスオレンジやルビーレッドなどのヴィヴィッドカラーに進化。ケーブルニットにはラメが加わったり、無地のウールにはチベット模様をプリントしたり、ベーシックなアイテムにことごとく個性を与え、それを大胆に組み合わせていく。終盤の少年は、全身がまばゆいほどの色に包まれ、人一倍目立つ存在に大変身!凡庸になりがちなテーマから、上手に個性豊かなストーリーを紡いでいる。