紳士服チェーンの最大手、青山商事は2月24日、スーツ、ジャケット、ドレスシャツのカスタムオーダーサービスと初のウィメンズスーツ専門店の出店を開始すると発表した。
カスタムオーダーシステムは子会社のアスコンと共同開発した3Dアバター(=もう一人の自分)を使った「バーチャルフィッティングアバターシステム」を活用する。iPadで来店客の顔を撮影し、数種類ある体形から最も近い胴体部分を選ぶと、バーチャル上でスーツの色柄やデザインを無数に試着することができる。用意したスーツとシャツの生地は、イタリア、イギリス、日本から1000種類以上。店頭はもちろん、スマートフォンに転送してその場で他の人にデータを送れたり、持ち帰ることが可能な上、来店しなくてもホームページ上でオーダーもできる。注文から客の手に渡るまで30日が目標。26日にオープンする1号店「ユニバーサル ランゲージ メジャーズ(UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE'S)」渋谷神南店をはじめ、都内5店舗にカスタムオーダーサービスを併設する。年内に20店を出店する計画で数年後には40〜50店舗に拡大する。
また、ウィメンズスーツ専門店「ホワイト ザ・スーツカンパニー(WHITE THE SUIT COMPANY)」の出店も発表した。女性の就業率の上昇で、ウィメンズスーツ市場の成長が見込まれる中、学生世代の「スチューデント」、ビジネスウーマンの「キャリア」、母親世代の「アーバンマザー」の3カテゴリーをメインターゲットに、働くすべての女性に向けたこだわりのアイテムを提案する。スタッフ全員を女性で構成する。26日にオープンする新宿店を皮切りに、都心の駅ビルやファッションビルを中心に出店を進める構え。
24日に行われた発表会見で青山理・社長と水谷修・執行役員TSC事業本部長兼TSC商品部長は「人口減やオフィスウエアの変化でビジネススーツ市場の拡大が課題となっていた。オーダー市場は"年齢、価格、敷居"の高さが課題だったが、若い人にもファッションとしてスーツを買っていただくためにバーチャルシステムを導入した。また、ウィメンズスーツは、これまでもメンズと一緒にコーナー展開してきたが、市場の拡大でこれ以上ひとつの店舗内で拡大していくことが難しくなった。より幅広い年齢層の女性に向けた専門店として本格始動する」とコメントした。