アメリカ大統領選挙で共和党から出馬中のドナルド・トランプ(Donald Trump)が自身のブランド、「ドナルド J.トランプ コレクション(DONALD J. TRUMP COLLECTION)」の生産地を巡って多くの非難を受けている。トランプはこれまで幾度もアメリカの雇用を盗み、貿易赤字を生み出している要因としてメキシコ人や中国人に屈辱的な言葉を投げてきた。さらに、貿易に関しては日本も敵だといい、当選したら貿易協定を100%見直すと宣言している。
しかしスーツやネクタイをそろえる「ドナルド J.トランプ コレクション」のライセンス商品の一部または全てがメキシコや中国で生産されていると報道されている。同じく共和党から出馬中のマルコ・ルビオ(Marco Rubio)はトランプの矛盾した主張を指摘。「トランプは生涯人々に嘘をついてお金をだまし取ってきた。今、同じことを国民全員に対して行おうとしている。彼は自身が築き上げた多くのビジネスについて自慢しているが、まずはブランドを全てアメリカで生産するところから始めるべきだ」と非難した。これに対しトランプは中国やメキシコ、日本が自国の通貨を過小評価しているため、アメリカが貿易で不利な立場に立たされており、アメリカブランドがアメリカで生産をできなくなってしまっているとコメントした。しかしルビオは「中国やアメリカで商品を生産している理由は、コストが安く、利益が多くでるからだけだ」と反撃した。
トランプは以前もメキシコ人の移民への暴言が話題を呼び、メイシーズ(MACY'S)が「ドナルド J.トランプ コレクション」の取り扱いをやめた。これを受け、2004年に同ブランドとライセンス契約を締結し、シャツやネックタイを生産してきたPVHコーポレーション(PVH CORP)も生産中止を示唆した。
なお、トランプ・オーガナイゼーション(TRUMP ORGANIZATION)からコメントは得られていない。