ファッション

【ロンドン・メンズ】下品な映画監督が、なぜか可愛らしくも見えた「ジェームス・ロング」

  「ジェームス・ロング」の2013-14年秋冬コレクションのインスピレーション源は、アメリカの映画監督ジョン・ウォーターズ。敬虔なクリスチャンの一家に生まれながら、「ヘアスプレー」や「ピンク・フラミンゴ」「セシルB シネマ ウォーズ」などの下品なコメディを数多く生み出す、現存の映画監督だ。映画はもちろん、「趣味は裁判傍聴」「トレードマークは付けヒゲ」というウォーターズの“悪趣味”をコレクションに加えたが、結果はモダンに生まれ変わったクラシック。2日目を終えて、ロンドンメンズのトップに立った印象だ。

 

  ウォーターズに通じる“悪趣味”の一つは、なんと言っても生地使い。「キレイ」とは言い難い、古めかしいブラウンなどを基調とし、さらには生地にはラバーをのせたり、モールでダサい小紋のような柄を描いたりと個性が光る。そんな生地から作るのは、オーバーサイズのボンバーズジャケットと、足元をゴムでクシュクシュにしたジョギングパンツ。しかし、特にジョギングパンツは、スーツに用いるシルクウールなどの素材使いと完璧なカッティングのおかげだろうか?スタイル全体が“みっともない”雰囲気に陥らないための一助となっている。むしろ、「おじいちゃんのタンスから引っ張り出してきた、最高のヴィンテージ」を身につけているような雰囲気だ。

 

  中盤以降に登場したのは、ニットに得意の刺繍飾りをあしらったアイテムたち。ウォーターズに敬意を表した今シーズンは、彼の代表作からアイデアを拝借した「ピンクのフラミンゴ」を刺繍したニットや、「ウォーターズ本人のポートレート」を描いたインターシャが登場し、これは十分に“悪趣味”だった。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。