カシミヤ紡績メーカーの東洋紡糸はファクトリーブランド「糸衣(イトイ)」を2016-17年秋冬からリニューアルする。これまでレギュラー品が中心だったカシミヤ糸を、今シーズンからはカシミヤの中でも希少なベビーカシミヤやアラシャンカシミヤに変更。国内の有力ニッターと協力し、ニットやストール、ジャケットに仕上げた。川端徹・社長は、「最高級のカシミヤ糸といえばイタリアが本場だが、日本独自の繊細なもの作りでイタリアにもない新しい糸作りに挑戦した」という。価格はベビーカシミヤ100%のローゲージニットが20万円、アラシャンカシミヤを使ったハイゲージニットが6万8000円など。「イトイ」は東洋紡糸が2010年にミラノ在住のニットデザイナー、ユリパークと協力して立ち上げた。
東洋紡糸は、日本で初めてカシミヤ紡績に成功した企業で、2008年に編み機大手の島精機製作所が買収した。「イトイ」のニット製品も、「ホールガーメント」など最新鋭のニット機を駆使して生産している。