日本郵便は18日、博多駅に隣接する新商業施設「キッテ博多」を21日の開業に先駆けて関係者に公開した。博多郵便局の跡地の再開発で建てられた地上11階・地下3階の大型施設。核テナントとして1〜7階に九州初上陸のマルイが入る。2011年3月に開業した博多阪急、アミュプラザ博多の隣に博多マルイがオープンすることで、博多駅地区の集客力は増す。古くからの商業地である天神地区とのエリア間競争がさらに激しくなりそうだ。
博多マルイは店舗面積1万5000平方メートルに130店が入る。九州初上陸のテナントも多数あるものの、最大の特徴は地元消費者の声を生かした店作りを推進したこと。2年にわたってミーティングなどを通じて延べ1万人以上の消費者の生の声を集めた。結果、周辺の商業施設と重複するアパレルの比率を3割に抑え、服飾雑貨や生活雑貨、ギフト雑貨、食品などのウエイトを厚くした。マルイのプライベートブランド(PB)を主力にした自主編集売り場は、1万円以下の値ごろ感のある婦人靴や幅広いサイズ対応の衣料品などを充実させ、30〜50代のリアルな要望に応える。初の試みである「カスタマイズステーション」では、UVプリンターやレーザーカッターなどの最新機器からハンドメードまで多様なメニューを用意して、自分だけの服やアクセサリーを作ることができる。各フロアにカフェを配置するとともに、休憩スペースも既存店に比べて広くとっている。
内覧会では多くの地元メディアが殺到し、関心の高さが窺えた。乗降客数が増加する博多駅の駅前立地に対するテナント側の期待も高い。だが一方で、熊本地震の影響により、博多駅を起点にする九州新幹線の復旧の見通しが立たないことや、国内外の観光客が減っていることを懸念する声も聞かれた。
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林芳樹