「クリストファーケイン」の2013-14年秋冬コレクション展示会場には、まるで小さな子どもが描いた狼男とドラキュラ、そしてフランケンシュタインの絵画が飾られていた。今シーズンのテーマは、きっとこんな怪物たち。しかし、他のアヴァンギャルドなデザイナーが作る珍妙なアイテムで描くのではなく、スウェットや丸首のニット、カーディガン、それにショートパンツなどのベーシックアイテムで表現。クリエイションとビジネスのバランスを追求し、新人から中堅、ひいてはロンドンを代表するデザイナーの一人に成長している彼の才覚が伺える。
一番分かりやすいのは、ミイラを不気味かつ大胆にプリントしたスウェットなど。ドラキュラは、構築的なショルダーラインと、シャープなラペルを持つチェスターコートで表現。このコートは、広げるとまるでドラキュラのマントのように見える。ドラキュラが好みそうなワインや、怪物が元気になる真夜中をイメージしたミッドナイトブルー、そしてビリジアンなどのボールドカラーをのせたベルベットのパンツとコーディネイトした。
そして、コレクション全体をグロテスクに彩る、少し不気味なレオパード柄は、ファーなどにプリント。チープなアクリルニットの上から、同じ素材で色違いのアクリル系とで刺繍を施すことで加えたレオパード柄もある。