セール時期の是正を主張し、昨夏に続き今冬のセールを後倒しして1月18日から開始する伊勢丹新宿店は、他の百貨店がセールを実施している1月2日から17日までの期間、お正月に合わせた「新春祭」という独自企画で売り場を盛り上げている。
古来からきものの染型に使用されてきた「伊勢型紙」にフォーカスし、伊勢丹が保有する同型紙のコレクションとファッションから雑貨、食品まで幅広いジャンルのブランドとのコラボレーション商品を展開中だ(伊勢丹新宿店、三越日本橋店、三越銀座店の計63ショップが参加)。
中でも同企画に感銘し、一から「伊勢型紙」の文様を起こすほどの情熱をもって取り組んだのが「アルチザン」の高瀬清子デザイナー。制作したドレスやパンツに用いた文様は、周りを黒く描き、白い部分が花として浮かび上がる白描画のようなデザインや、墨色一色で水墨画のように濃淡をつけたもの、江戸小紋に使われる幾何学模様など日本古来の美意識や伝統技術が光る。「中でも『伊勢型紙』をモダンにアレンジしたデザインのふろしきが30代を中心に人気。文様を模った和洋菓子も、お年賀需要もあり、売れている」と同社広報。