イギリスの田舎の風景にインスパイアされたというコレクション。お伽話の登場人物の衣装をイメージさせるデフォルメしたシルエットやダークなカラーパレットから連想するに、それは単なる田舎の風景ではなく、少し毒を含んだファンタジックな世界を意味するようだ。
ベースは、イギリスの伝統的な素材を生かしたクラシックなスタイルだが、それだけでは終わらず、2013-14年秋冬のトレンドキーワードがきちんと入っているところがポイント。部分的に異素材で切り替えるテクニックや、クロップドパンツやハイネックインナーといったアイテム、シアリングなどの素材使いがトレンドと合流している。
特にビッグトレンドであるレザーについては、レザーグッズ発のブランドらしく、他とは一味違う巧みな使い方で魅せる。ジャケットに見る丸く膨らみを持たせたショルダーラインや、ふんわり広がるスカートなど、レザーでありながら布はくのように柔らかいシルエットを実現できるのは職人技ならでは。ホワイトレザーに見るジッパー使いは、リアルに見えて実はトロンプルイユと、さりげない遊びにも技が光る。
もうひとつのキー素材はツイード。甘く編んでいるようでしっかりとした表面感をキープしているツイードのシリーズは独特の配色で魅せる。後半には、そのツイードを総ラメの刺繍で表現するシリーズも登場し、よりドラマティックなムードに展開する。バッグは、スクエアなフォルムと、ゴールドの留め具がポイントの新シリーズ「Suffolk」が登場した。