今季の「アキラーノ・リモンディ」は、ティム・バートン監督が指揮を執った映画「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年公開)に登場する主人公、アリスがインスピレーション源。同物語の世界観とリアルクローズの融合を図り、ロマンティックかつファンタジックなコレクションを発表した。自分の夢に向かってあらゆる困難を乗り越えていく姿は、イギリスの児童作家、ルイス・キャロルの原作「不思議の国のアリス」で描いたアリスよりも、大人っぽくてたくましい印象だ。
会場になったのは、ドゥオーモ近くのピアッザ・メルカンティにある古い建物。まるで中世ヨーロッパにタイムスリップしたかのような場所で、今回のテーマにピッタリと合う。そして、ショーは「アリス・イン・ワンダーランド」のサントラが流れる中スタート。
トランプの札が住む夢の国に登場する「ハートの女王様」を彷彿とさせる、ゴールドの金刺繍やビジューを施したゴージャスなワンピースは、ミニ丈の構築的なバルーンシルエットで若々しい印象に仕上げた。また、イギリスを代表するタータンチェックやツイード素材を採用したセットアップは、丈を長めにとったピークドラペルのジャケットと膝丈のペンシルスカートで構成し、スマートな少女を表現。胸元にベルベットを用いたオフショルダーのドレスは、ウエストから生地をバイヤスにとったフレアスカートが曲線を描いてエレガント。そして、ハートやクローバー、ダイヤ、スペードといったトランプのモチーフをスカート、袖、身頃などにのせたアイテムや、ハート型に切り抜いたバックコンシャスなドレスは、素材ミックスで“キュート”になりすぎていない点が魅力的だ。
また、今回のメイクを担当した「M・A・C」のシャルロット・ティルブリー=メイクアップ・アーティストは、モデルのリップにはオレンジがかったピンクを、目もとには発色の良いターコイズを大胆にのせた。物語と同様に、遊び心の効いた洋服とメイクアップで、アイキャッチーなコレクションに仕上げた。
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