ファッション

【パリ速報】近未来のムース素材と古典的ブラウス。編集力を見せた「セドリック シャルリエ」

 パリコレが開幕し、ついに2013-14年秋冬コレクションも終盤戦に差し掛かった。


 しかし、ニューヨークとロンドン、ミラノ・コレクションが終わっても、トレンドという点においては格段に新しいなにかは登場していない。ランウェイに繰り返し現れるのは、「セリーヌ」をきっかけとするマスキュリンなボリュームコート、メンズから伝播した異素材のハイブリッドなど。「セドリック シャルリエ」のコレクションも、まさに継続トレンドを詰め込んだ内容となった。

 ムース素材で作ったフワフワコートは、たとえば身頃の一部をフランネルで切り返し、肩口の縫い代にシルクを差し込んだもの。ニットも肩の周りにはハイゲージの毛糸を用いて、女性の肩が極端に大きくならないよう配慮。一方で下半分はピリング(毛玉)加工を加えたローゲージで切り返し、ボリュームを楽しんでいる。アクセサリーも、メタリックレザーと、キャビアのようなブラック&ホワイトをプリントしたレザーのハイブリッドだ。


 ハイブリッドと言えば、今シーズンはテイストにおいてもミスマッチを楽しんだのが「セドリック シャルリエ」のオリジナル。ムース素材のボリュームウエアは「セリーヌ」発、中盤のネオンカラーの糸を打ち込んだフランネル風のワンピースは「プロエンザ スクーラー」発だが、そこに「ヴァレンティノ」さえ思わせる古典的エレガンス、具体的には三重にもなるハイカラーが特徴のシフォンブラウスを加えたところが新しい。このミスマッチは、ともすれば大失敗に終わりそうだが、丁寧にプリーツを寄せたハイカラーのシフォンブラウスにフューシャピンクなどを差し込むことでバランスを図っている。若手クリエイターらしい、創作というよりは編集能力の高さを見せつけたコレクションだ。



【コレクション速報一覧はこちら


最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。