カラーパレットはブラック&ホワイト、用いたのはスーツ地に似たウール。そして肩口はメンズスーツのようなサルトリア仕立て。「アンソニー バッカレロ」は今シーズン、メンズ由来の色と素材、シルエットをいかに女性らしく仕上げるかに腐心し、コレクションを完成させたようだ。
その上で重要なディテールとなったのが、いわゆるハトメと呼ばれるメタルパーツ。オプティカルアートというトレンドも意識しているのだろうか?スーツ地で作るドレスは、たとえば片方の肩、ラップスカートの半分、そしてドレスの至るところを敷き詰め黒の糸でつなげただけのハトメで切り返し、肌を大胆に露出する。こうなると、漆黒の男前ドレスは、モードな雰囲気はそのまま、一気にパワフルな80'sムードに大変身だ。ただ、特に薄くなめしたレザーで作ったドレス群は、反対に体を締め付けないローウエスト仕様。もも丈のドレスの一番下部に、手を突っ込める切り込みポケットをもうけるなど、このあたりはコンテンポラリーだ。
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